香老舗林龍昇堂

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沈香じんこう/ジンコウ/Agarwood

ジンチョウゲ科の常緑樹のジンコウボク Aquilaria agollocha の材に樹脂が沈着したもの。主としてベトナム、カンボジア、インドネシアで産する。

ジンコウボクでは通常の植物体では樹脂は存在していないため、何らかの原因で樹木の表面に傷がついたりした場合など、外的要因によって樹脂が産生するようである。

ドロ沈香やシャム沈香と呼ばれるもの(主にベトナム産)は、通例馬蹄形等平たい形状をしていて土砂が付着していることが多い。また、香りはどちらかといえば甘く、単品で用いられることも多いようである。

タニ沈香と呼ばれるもの(主にベトナム・インドネシア産)は、通例棒状の形状をしている。ベトナム産のドロ沈香やシャム沈香と比較すると土砂の付着は少ないように思われる。香りは酸味に加え、甘みのある深い香りが特徴的。

沈香の化学成分としては、α‐アガロフラン、アガロール、ジンコエレモール、ジンコール等のテルペン類(弱い加熱または加熱せずに出てくる香り)とアガロテトロール、イソアガロテトロール等のクロモン類(常温では匂いはないが加熱して分解すると匂いが発生する)等が知られている。アガロテトロールは沈香の樹脂が多いものほど多く存在し、品質評価の指標としても用いられる。

沈香は、一般的には樹脂化の程度が進み、重く大きいものが良品と考えられている。化学的品質評価としては、アセトンエキスの量や前述したアガロテトロール含量で評価できる。ただし、香りには好みの問題があり、最終的な判断は人間の鼻による鑑定で決められている。

また、伽羅は沈香と同じAquilaria属植物より沈香と同様に産生することはわかっているが、沈香と比較するとクロモン含量が少なくテルペン含量が多いこと、アセトンエキス含量が多いこと等の相違がある。

沈香には鎮静・健胃・解毒作用があるとされ、高貴薬として家庭薬や漢方薬に配合されることもある。

Jinko (Agarwood)

Agarwood is a fragrant resinous wood, produced in Vietnam, Cambodia and Indonesia. The resins accumulate in the evergreen tree Aquilaria agollocha, from the Thymelaeaceae family, being infected by various natural causes.

Agarwood is also used as a medicine, for antidotes, stomachaches or soothing purpose.