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第805回 御忌会(ぎょきえ)(’16年4月19日)
熊本地震による災害で被災された皆様に、心よりお見舞い申し上げます。そして、一日も早い復旧を心よりお祈り申し上げます。
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さて、現在、浄土宗寺院において宗祖法然上人の「御忌会(ぎょきえ)」が行われています。
浄土宗総本山 知恩院 御忌大会 4月18日(月)~25日(月)
http://www.chion-in.or.jp/index.php
浄土宗西山禅林寺派総本山 永観堂禅林寺 御忌会 4月22日(金)~25日(月)
http://www.eikando.or.jp/
↓いずれも永観堂 中門前
西山浄土宗総本山 光明寺 御忌会 4月21日(木)~25日(月)
http://www.komyo-ji.or.jp/
光明寺 総門
光明寺 御影堂(向かって左側には法然上人像)
御忌(ぎょき)とは、一般的には貴人や祖師などの年忌の法会(ほうえ)を敬っていう言葉で、浄土宗では宗祖法然上人の年忌を修する法会を指すそうです。そして、今年で第805回。
念仏を唱えながら、先人のことを思い、現在の熊本地方のことを思い、今日も自分は無事に生かされていることへの感謝の気持ちを新たにする。
そういう時間も大事にしていきたいと存じます。
また、法然上人の教えは「一枚起請文」に集約されているそうです。要約すると「極楽へ往生するためには、南無阿弥陀仏と唱えること。必ず往生するのだという気持ちを持って、南無阿弥陀仏と唱える他は別に何もない」ということになります。
御仏は自分の心の内にこそ存在する。
浄土宗の話をしてきましたが、宗派を超えて、このことは当てはまるのではないかと考えております。
<一枚起請文> 浄土宗 宗祖法然上人
もろこし我が朝に、もろもろの智者達のさたし申さるる、観念の念にも非ず。又学問をして念の心を悟りて申す念佛にも非ず。ただ往生極楽のためには南無阿弥陀佛と申して疑いなく、往生するぞと思いとりて申す外には別の子さい候わず。但し三心四修と申す事の候は皆決定して南無阿弥陀佛にて往生するぞと思う内に籠り候也。此外のおくふかき事を存ぜば、二尊のあわれみにはずれ本願にもれ候べし。念佛を信ぜん人は、たとえ一代の法を能能学す共、一文不知の愚どんの身になして尼入道の無知のともがらに同して智者のふるまいをせずして、只一こうに念佛すべし。
為証以両手印(しょうのためにりょうてをもっていんす)
浄土宗の安心起行此一紙に至極せり。源空が所存此外に全く別義を存ぜず。滅後の邪義をふせがんが為めに所存を記し畢んぬ。
建暦二年正月二十三日 源空在御判
☆林龍昇堂☆