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原材料16) 麝香

麝香(じゃこう/ジャコウ/musk)

 麝香は雄のジャコウジカの腹部にある香嚢(こうのう/ジャコウ腺)から得られる分泌物を乾燥したものである。主に香料や薬の原料として用いられてきた。麝香は甘く粉っぽい香りを持ち、香水の香りを長く持続させる効果があるため、香水の素材として古くから重要であった。また、興奮作用や強心作用、男性ホルモン様作用といった薬理作用を持つとされ、日本の伝統的な薬に使われてきた。ただし、日本でも中国でも漢方の煎じ薬の原料としては用いられてはいない。

 香嚢の内部にはアンモニア様の強い不快臭を持つ赤いゼリー状の麝香が入っており、一つの香嚢からは30グラム程度採取することができる。これを乾燥させるとアンモニア様の臭いが薄れて暗褐色の顆粒状となり、薬としてはこれをそのまま、香水などにはこれをエタノールなどに溶解させて濾過したものを用いる。

 チベット、ネパール、モンゴル、インド、中国などが主な産地であるが、特にチベット、ネパール、モンゴル産のものの品質が良いとされていた。というのも、かつて麝香の採取のために殺されたジャコウジカは年間数万頭いたとされ、そのため絶滅の危機に瀕してしまい、ワシントン条約により、ジャコウジカの商業目的の国際取引は原則として禁止された。現在中国ではジャコウジカを飼育し、殺すことなく継続的に麝香を採取することが行われるようになっているが、商業的な需要を満たすには遠く及ばず、香料用も医薬用もストックされた麝香を使わざるを得ない状況になっている。そのため、香料用途としては合成香料である合成ムスクが用いられることが増えている。

 麝香の麝の字は鹿と射を組み合わせたものであり、射は麝香の香りが極めて遠方まで広がる拡散性を持っていることを表しているとされる。一方、英語ではmuskと呼ばれているが、これはサンスクリット語の睾丸を意味する語に由来するとされる。これは麝香の香嚢の外観が睾丸を思わせたためと推測されるが、実際には香嚢は包皮腺が変化したものであり睾丸ではない。

原材料16)麝香

 

麝香 Jako (Musk)

Musk is an aromatic secretion obtained from the gland of the male musk deer. It has long been used as an important raw material for perfumes and medicines.

Today, the trade quantity of natural musk is controlled by CITES, and synthetic musk with a similar fragrance is used for incense making in many cases.

 

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